



瀬戸内海から昇る朝日と山際に沈む夕日、燦々たる陽光、生ぬるい風がこの町をぬけてゆく。二〇二〇年夏、映画『逆光』(監督:須藤蓮脚本:渡辺あや)の撮影クルーに同行し、制作現場に密着する傍ら、広島県尾道市の街中を撮影した。映画の舞台となる一九七〇年代と現在の景色を交錯させながら、存在したかもしれない“現実”の断片的記憶。そしてそれが立ち上がる瞬間を切り取り、映画の外の世界からの構造化を試みた。私の生まれた年から数えると、四半世紀前。一九七〇年代の尾道には、どんな風が、時間が、流れていたのだろう。
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石間秀耶: “ONOMICHI”
hardcover, 100p, 2021
publisher : (MEME)PUBLISHING
Japanese